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NEWS~映文連アワード2021
制作者インタビュー 「受賞作はどのように生まれたのか?」


当社が制作した作品が受賞した「映文連アワード2021」の表彰式が、国立新美術館で11月29日に行われ、担当ディレクターである当社の齊藤友一郎が出席しました。 授賞式の様子は「日経チャンネル」にて全世界へライブ配信も行われ、審査委員の方から賞状と記念のトロフィーを頂き、壇上の齊藤からは制作の苦労話と関係者、スタッフへの感謝が伝えられました。

そこで今回は、その受賞作品がどのように企画されたのか?また制作の過程での裏話などを担当プロデューサーの高橋大悟とディレクターの齊藤友一郎の2人のインタビューでお届けします。


■受賞作品を視聴する

プロデューサー、高橋大悟。2007年 パナソニック映像入社。パナソニックがスポンサーとなる数々の大型スポーツイベントでのプロモーション映像の担当歴は15年以上になる。また国内外の展示会の映像演出のプロデュースも多く、最近ではバーチャル系の商材へも取り組んでいる。ディレクター、齊藤友一郎。2013年 パナソニック映像入社(中途)。高橋プロデューサーとともに、パナソニック関連の大型スポーツイベントの映像ディレクションをはじめ、国内外の展示会のコンセプト映像などを制作、またインタラクティブをはじめ最新テクノロジーを使った案件も多い。

「デザイナーやクリエイターに刺さるコンテンツを作る。それが最初のハードルでした。」

「Curo」の企画は、どのように始まったのですか?

 高橋:パナソニックが開発したグラファイト「Curo(キューロ)」という、優れた特徴を持つ素材を紹介する動画を制作し、世界中の優れた素材を
     紹介している「マテリアルコネクション東京」というショールームスペースに展示し、プロモーションを行いたいというお話を、
     クリエイターズグループ MACさんから頂いたのがスタートでした

今回の企画は、どのように進めていったのですか?

 高橋:まずはパナソニックの開発拠点に伺い、実際の素材に触れながら、その特徴や素材制作の過程なども、かなり詳しくオリエンして頂き、
     MACさんと共に企画のブレストを始めました。特に「マテリアルコネクション東京」に訪れるデザイナーやクリエイターの方たちが
     素材に対して興味をもってもらえるよう、素通りされず且つ刺さるコンテンツを作ることが、最初のハードルでした。

「素材の持つ上質さ、掲載サイトとの親和性も考えテーマは”ギャラリー”に。」

映像の企画コンセプトは?

 齊藤:この素材の持つ上質さや、展示ショールームとの親和性も合わせ “素材を体験するギャラリー”というコンセプトに決まりました。
     私が過去にたずさわった展示会でのインスタレーション的作品などの経験も今回の企画には活かされていると思います。

 高橋:”ギャラリー”とすることで、普通の素材紹介映像にとどまらず、観る人の感性も刺激しながら同時にこの素材の魅力はもちろん
、 可能性までも提示し、それらを疑似体験してもらえるよう”実験的な遊び”を盛り込んだ映像作品をめざしました。

 齊藤:実は、今回の企画はここからが大変で、展示品としての”素材の可能性”を、いかに映像的に面白く、そして美しさにも
     こだわって具体的に落とし込んでいくのか、試行錯誤の連続でした。
     頭で考えた企画が実際に成立するか?制作チーム全員で何度も実験をしながら最終的な形に落とし込んでいきました。

「アナログな表現に徹することで、素材の魅力をストレートに伝える。」

実際の撮影や編集などで苦労した点などは?

 齊藤:こういった素材紹介映像はよく「※イメージ映像です」って注釈を付けて、全編CGやアニメーションでつくられる事が多いと思うんです。
     ですが、実際「Curo」を製造されているパナソニックの方たちの想いや製品の魅力に触れて、これをそのままストレートに伝える事が
     とても大事だと思い、あえてアナログな表現に徹しました。もちろん、そのおかげで現場は大変な状態になるのですが(笑)
     ウソのつけない実写での撮影ですので、実験を重ねるのと同時に、カメラマンに早い段階から入ってもらい効果的なアングル模索も進めました。
     また美術・小道具のスタッフさんの協力も大きく、実験装置自体の微妙な調整の中で実現しました。

「美しさと面白さの融合をめざした。」

 齊藤:また”ギャラリー”は、美しさと面白さの融合だと思うんですよね。それがこの映像でも伝わるように、全体的に絵は静謐で
     上品なトーンで、逆に楽曲は少しコミカルなものにしてコントラストをつけています。
     この世界観の構築には、エディターと作曲家の力が大きかったと思います。

「その素材の素晴らしさを、映像のチカラで一人でも多くの人に伝えたい。」

最後にお二人に、受賞の言葉と今後の抱負をお願いします

 高橋:まずは今回このような貴重な体験をさせて頂いたクライアントの皆さまに心からお礼を申し上げます。
     特に今回改めて気づかされたのは、自分たちの日々の映像制作って、まさに”いかに与えられた素材を輝かせて”一人でも多くの人に伝えのか?
     ということなんですよね。そういう日々の小さな積み重ねが素晴らしい映像制作者でもある審査員の方々から評価されたことを、
     本当に嬉しく思います。ありがとうございました。

 齊藤:今回ある意味、私のワガママに付き合って頂いたスタッフの皆様にも大変感謝致します。本当にそれぞれの素晴らしい専門分野の方々とともに、
     新しいものを作り上げることができ、しかもそれを評価して頂けたことは、何より今後の制作活動の励みになりました。
     これからも皆様のお力をお借りしながら、観る人を笑顔にできるような映像作りができたらと思います。ありがとうございました。


<作品情報> 「フワっ、コンっ、スーっ?パナソニックのグラファイト Curo(キューロ)」

クライアント:パナソニック株式会社
企画制作:株式会社クリエイターズグループMAC、パナソニック映像株式会社

プロデューサー:高橋 大悟(パナソニック映像株式会社)
企画・演出:齊藤 友一郎(パナソニック映像株式会社)
制 作:中村 祐子、稲井 くるみ(パナソニック映像株式会社)
撮 影:手塚 康行
編 集:齊藤 友一郎、石渡 正士
照 明:濱田 博次
美 術:鳴滝 良弘(株式会社クラフト)
音 楽:山崎 功(株式会社ピントン)
協 力:gallery UG、寺田倉庫株式会社、株式会社マグエバー

映文連アワード2021 公式ページ