これからのIoT家電は、人のために自ら動く。次世代ITプラットフォームがもつ可能性

プロジェクトストーリー

#Engineering#入社11年以上#新卒入社#新横浜本社

PROFILE
入社25年目。大規模施設向けの映像配信システムの開発・導入に12年間携わった後、現在はパナソニック製IoT家電を支えるクラウドプラットフォームの設計を担当。

全国行脚で得た、モノづくりの面白さを知る原体験

私は文系からの新卒入社で、ITエンジニアとしての経験はゼロからのスタートでした。エンジニアの仕事とはどんなものかのイメージも曖昧だった中、入社後初めて経験したのが、「アストロビジョン」と呼ばれる大型映像表示装置のプロジェクトでした。

北は北海道から南は九州まで、各地の現場をまわりながら、札幌ドームやカシマサッカースタジアム、渋谷109など、多くの著名な施設に装置を導入しました。アストロビジョンは今も各地で稼働中なので、イメージがつくという方も多いかと思います(事業としては撤退しており、少しずつ数は減っています)。

技術的な面でも、入社1年目は組まれたシステムのテスト担当から始め、最終的にはお客様と直接要件の折衝をするプロジェクトリーダーまで経験することができました。

アストロビジョンの案件は思い返すと、「自分たちが要件を考えて作ったものが形となり、世の中の人々に喜ばれる」という感覚が非常にダイレクトに感じられた案件でした。この頃の時間が、今にも繋がる「モノづくりの面白さ」を知る原体験となりました。

これからのIoT家電は人の操作なしで快適を提供する

現在はパナソニック本体のR&D(研究開発)部門から委託を受けて、IoT関連の統合プラットフォームの設計に取り組んでいます。具体的には、エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機など各家庭に設置されたパナソニック製のあらゆるIoT家電をクラウド上で繋ぐシステムです。このプラットフォームによって、各家電がインターネットに接続された状態になるので、自宅外からの遠隔操作や、端末ごとの使用状況のデータを集めることができるようになりました。

そして今私たちが挑戦していることが、各家電からプラットフォームに集められた膨大なデータを使って、それぞれの家庭にとってより使い心地の良い家電へとアップデートしていくための検討です。例えばエアコンならば、毎日の利用状況のログデータを分析することで、「帰宅に合わせて自動的に作動する」「ペットがいる部屋だけ、他の部屋と比べて室温を低くする」といったように、人による操作なしに家電側から毎日のライフスタイルに合わせた動作ができるようにすることが目標です。

グループの存在は、強みの源泉垣根を越えた協業の先に「その先」はある

IoT家電の統合プラットフォーム推進をめぐっては、それぞれの分野に強みを持つさまざまなグループ会社も関わります。例えば家電の本体を製造する会社、製品に組み込む通信モジュールを作る会社、クラウドシステムを構築する会社――といった具合です。1つの分野に1つの事業体が立って特化している分、個社がもつ技術力は非常に高い水準にあります。

私たちパナソニック システムデザインでも、個々の機能を把握し、全体として最も適したシステムの提案・構築を強みとしています。この強みに加え、パナソニックグループ内希少なシステム会社でもあることから、グループ内で広いカバレッジを持っています。だからこそ、私たちは、グループ会社を横ぐしで通し、会社間の円滑な意思疎通を図っていく役割も担っているのです。とはいえ仕事の進め方や文化も違う各社が垣根を越え、1つの目標に向けて目線を合わせることは簡単ではなく、その調整には時間がかかることもあります。そこで関係する各社の社内に当社のメンバーが入り、よりフレキシブルに情報共有を図れる体制がつくられています。

パナソニックグループが一枚岩になって、次世代の暮らしを支える新しい枠組みを創っている。その旗振り役を担えていることに、大きなやりがいを感じています。

わたしにとって「その先」を創るとは。

自らの技術や仕事によって、少しでも世の中の人々の暮らしを今より良くできたと思える瞬間です。IoTの技術は近年大きな注目を集めていますが、単にそれを取り入れただけで、どう活きているのかわからないシステムを作っては意味がありません。技術やツールはあくまで手段。手段を目的にせず、世の中に本当に求められているものを生み出すエンジニアでありたいです。