「ワンパナソニック」で生み出したエアコンIoTサービスアプリ

プロジェクトストーリー

#Engineering#入社11年目#新卒入社#大阪拠点

PROFILE
入社22年目。関西学院大学 社会学部 社会学科卒業。就職活動で、それまでは専門外だったモノづくりの世界に惹かれパナソニック システムデザインに入社。プログラミングは入社後に習得した。現在は係長を務める2児の母。

エアコンIoTサービス「エオリア アプリ」の開発。

私は、2016年に立ち上がった「エアコンIoTサービスのアプリ(エオリア アプリ)」の開発に参画しました。このアプリには、スマートフォンから遠隔でエアコンを操作したり、切り忘れの通知を受信したりできるほか、革新的な多機能が搭載されています。私はプロジェクトマネジメント支援として、パナソニックグループの企画やマーケティング、品質保証のメンバーと連携しながら、搭載する機能の精査やアプリ画面の企画、ユーザーから受けた要望への対応などを行いました。

2017年のアプリ初回リリースから5年が経った現在では、日本中のユーザーがサービスを利用しています。私の自宅にも導入しました。家族にも自分のプロジェクトを誇れるのは嬉しいですね。2022年からは、ユーザーの要望によりスピーディに応えるべく、アジャイル開発にシフトしました。メンバーと一緒に学びながら、より良いチームづくり、より良いサービスづくりができるように取り組んでいます。

一見相反する「快適」と「省エネ」を同時に叶える。

「エオリア アプリ」が革新的だったのは、ユーザーに便利さ・快適さを提供するだけでなく、未来のための省エネな生活までも提案した点です。例えば「少し家を空けるとき、エアコンを消すのか、つけっぱなしにするのか」という問題は長らく身近なものだったと思います。誰だって電気代は抑えたいですが、一方でエアコンのつけっぱなしは省エネに反しますよね。

そこでエオリア アプリには、エアコンのセンサー情報から住宅の性能を算出し、ご家庭ごとの設定温度やその日その時の天気を掛け合わせて、「つけっぱなしのほうが電気代を抑えられるのは何分までか」や「何円お得になるのか」を知らせる機能も搭載しました。一見「人間にとって快適」と「自然にとって優しい」は相反しているかもしれません。しかし、システムを通して、パナソニックとして「快適さと省エネ」の両方を担保する新しい生活を提案したことは、「その先」を創る大きな一歩になったはずです。

パナソニックとして社会に届けたい価値を、問い続ける。

IoTアプリの開発においてはさまざまな部門からの期待が大きく、「あれもこれも機能を詰め込みたい!」と要求が高くなることが往々にしてあります。そこで私が開発側のプロジェクトマネジメント支援として心がけているのは、部門や立場の違いを超えて「本当に届けたい価値は何か?」を常に関連部門に問い続け、要求の整理を繰り返すこと。はじめは「どれも大事」と言っていても、徐々に優先順位が明確になってきたり、複数の要求が実はひとつの機能で満たされることが分かったりするものです。

予算内で最大限の要求を満たす機能の提案は、開発側にしかできません。だからこそ、時には他部門とぶつかってでも、要求を鵜呑みにはしませんでした。複数の立場からの要求を、「パナソニックとしての価値」として横串を刺し、ひとつにまとめていく中で徐々に信頼関係が構築されたのだと思います。

そうしてリリースされた商品に対しては、パナソニック全体として価値を創造できたという思い入れがある分、喜びも大きくなりました。

わたしにとって「その先」を創るとは。

事業会社の皆さんが熱意を込めて作った製品を、ITの力でより価値の高いものにアップデートすることが私たちのミッションです。「その先」でユーザーの皆さまに提案するのは、便利さだけに留まらない新しい生活スタイルであり、自然に配慮した生活だと考えています。

「その先」を創るはパナソニック システムデザインの合言葉ですが、パナソニックグループ全体においても、社会に与えたい影響は一貫して同じベクトル上にあるはずです。だからこそ、私たちも「パナソニックとしてどうすべきか」という広い視点をもって開発に取り組むことが必要になるのではないでしょうか。まさにエオリア アプリの開発においては、企画、マーケティング、品質保証など多岐にわたる部門の方と相互に知見を展開してきました。会社も部署も役割も超え、悩み、試行錯誤しながら、ワンパナソニックで新たな価値を社会に届けていく――。これからも、そんな仕事をしていきたいですね。