- PROFILE
- 入社25年目。約10年にわたり放送関連システムの開発プロジェクトを担当。その後、モビリティ分野へ活躍の場を移し、エリアモビリティサービスプラットフォームの開発を牽引している。
街中でロボットが荷物を運ぶ世界へ
私は暮らしを向上する取り組みとして、次世代のモビリティサービスを開発するロボティクス搬送プロジェクトに携わっています。簡単にお伝えすると、「街中でロボットが荷物を運ぶ世界を実現すること」です。
いつでも荷物を受け取れるようになるのはもちろん、これまで店舗に足を運んで買い物をしていたものが、無人移動販売により自宅のすぐ近くで買えるようになる。さらには、モノだけでなくサービスまで、時間や場所を問わず気軽に受けられる世界の実現を目指しています。
その中でメインとしているのが、自動搬送ロボット(UGV)の遠隔制御システム(X-Area Remote)やユーザー向けアプリケーションの要件定義から品質向上までの幅広い業務。私はプロジェクトリーダーとして、進捗の管理やシステム品質の順守を含めた全体の指揮を担っています。
開発のヒントは、技術面以外の視点にある。
エンジニアの仕事といえば、システムやアプリケーションの開発といった、いわゆる技術的な面でプロジェクトに参画することです。でも、実際に開発を進めていく上で大切なことは、“技術的な実現ではないところ”にあります。
例えば、「地域住民の方に受け入れられるシステムになっているか」という視点です。技術的な部分だけ見れば、決められたルート通りに走行するよう制御できればよいのですが、街で運用する機能としては不十分です。例えば住宅地に荷物を届ける場合には、周囲のお子さんがロボットに駆け寄ってくることもあるでしょう。そうしたときに、周りをいたわる動きや道をゆずるアナウンスを追加することで、住民の方々の印象は大きく変わってくるはずです。こうした体験価値の追求は、今後チャレンジしていきたいことではあるのですが、「技術で解決に導けることはないか」という視点は、日々意識するようにしています。
つくるのは新技術だけでなく、行動変容の起点。
遠隔制御システムを含めた自動搬送ロボットが導入されることは、たくさんの人の行動変容につながると考えています。これまでの生活スタイルを変えるきっかけになったり、自動運転に興味をもってもらえたり、ビジネスの場でロボットの導入が当たり前に検討されるようになったりと、変化のあり方はさまざまかもしれません。
ただ、サービスを利用する方だけでなく、システムを導入する顧客にとっての行動変容の起点づくりにチャレンジしたいという想いから、プロジェクトメンバー間で「新価値創造」という共通のキーワードをもって開発を進めています。
具体的なお話をすると、顧客向けアプリケーションの開発。アプリを利用することで「普段の業務を効率化できるのではないか?」といった気付きを生めるよう、ユーザビリティーを盛り込んだシステム画面を実現しています。
もちろん実際の開発では、想い描いた通りにはうまくいかないこともたくさんあります。理想と現実のギャップを埋めることが私の役割であり、一番難しさを感じる部分ではあるものの、今までの経験を発揮できる場面でもあるため、やりがいを感じています。