- PROFILE
- 入社20年目。パナソニック製のPBX(電話交換機)やFAXに内蔵されたソフトウェア開発・保守などを経て、2020年よりMBSEコンサルタント業務を担当。
自動車や航空機開発を支援する新しい開発環境を創造する
MBSEとは「システムズエンジニアリング」をモデルを使ってやっていこうというものです。「システムズエンジニアリング」というのは、もともとは大規模かつ複雑なシステム開発が必要な業界で培われてきた考え方で、「システム開発を成功に導く考え方」です。
それを「モデル」を使ってやっていこうというのがMBSEです。
モデルの中にはエンジニアリングで使う設計情報が詰まっているので、それらの情報を使って、設計が正しいかどうかの検証や、問題が起きた際の分析など、誰かに説明する際に根拠として提示して活用します。
私たちはお客様と一緒になってモデリングを行ったりもしますが、製品の設計自体というよりも、どのようにモデルを構築・活用すれば、お客様がエンジニアリングの中で困っていることや、実現したいことが実現できるかをコンサルティングしています。また、モデルの構築・活用がお客様でもできるように、“お客様の人材を育てる”というところにも力を入れています。
エンジニアからコンサルタントへ大変な分だけ、面白さはある
MBSEコンサルタントとしてお客様の環境構築支援をする以前は、前職時代を含めて長くシステムエンジニアをしていました。エンジニアからコンサルタントに立場が変わったことで、よりお客様の近くでご要望を伺いながら自分たちに何が出来るかをダイレクトに考える機会が増え、毎日が新鮮かつ刺激的になりました。
お客様は自社内の現状について何らかの悩みがあって私たちに依頼をくださります。MBSEがその悩みをどう変えることができるのか、お客様ごとの現状に合わせた解説や、それを踏まえた提案ができなければ、寄せられた期待に応えることはできません。そのため、エンジニア時代よりも、担当するお客様の業界についての最新情報や技術的なトレンドについて、日々キャッチアップしていく必要性を感じています。今の自分に満足せず学び続けることは大変でもありますが、このポジションの一番の面白さだと感じています。
多機能化する自動車の開発にMBSEは欠かせなくなる
今、最もMBSEの導入が進んでいる産業のひとつが、自動車業界です。ここ十数年でのIT技術の発達で、私たちはPCやスマートフォンのアプリケーション上でさまざまなことができるようになりました。自動車もこの流れに合わせる形で、市販車に求められる機能は年々多様になっています。20年ほど前まで、車に搭載された「走る」以外の機能といえば、ラジオや音楽プレーヤー、ナビ程度のものでした。それが今では、AIによる自動運転、スマートフォンとのワイヤレス接続や高速道路での即時決済など、ソフトウェアを介する機能が大きく増えました。最新車種の自動車開発の現場では、車体とこれらのサービスとの連携について分業しながら個別に考える必要があり、MBSEのソリューションがとても有効です。
パナソニックのさまざまな家電でもIoTサービスが実装されているように、製品の多機能化は自動車だけに限りません。1つの製品でできることが多くなればなるほど、プロジェクトの構造も複雑になる開発現場の背中を押せるソリューションを提供していきたいです。